長時間労働の是正:週休2日制
- 働き方改革2020.05.11
今回は「週休2日制の導入」についてです。
「週休2日制」とは「1ヶ月の間に週2日間の休みが1度以上ある制度」です。
法定休日(週1日)以外での休日が増えることで、
労働時間が削減され、時間外労働を減らすことができます。
しかし、国土交通省によると、2016年時点の建設工事全体では、
4週当たりの休暇日数の平均は4.90日であり、
約半数が4週4日以下の休日しか取得していませんでした。※1
週休2日制どころか、週1日の休日も取得できていない場合が多いようです。
そのため「建設業働き方改革加速化プログラム」では、
「週休2日の導入を後押しする」ことを施策のひとつに挙げています。
具体的な施策として、公共事業における週休2日工事件数の拡大や、
公共工事の週休2日工事において労務費等の補正の導入などが行われています。
一般社団法人日本建設業連合会による「週休二日実施率調査(2019年度上半期)」では
週休2日制の実施状況は以下の通りでした。※1
なお、連合会は、2017年に「週休2日実現行動計画」を策定し、
2021年度末までに「土日閉所による週休2日制(4週8閉所)の実現」を目指しています。
2019年度上期 (調査対象13,203現場)
4週8閉所以上30%
4週7閉所以上17.5%
4週6閉所以上21.0%
4週5閉所以上13.8%
4週5閉所未満17.7%
2018年度上期
4週8閉所以上23.6%
4週7閉所以上15.0%
4週6閉所以上21.1%
4週5閉所以上19.6%
4週5閉所未満20.8%
『一般社団法人日本建設業連合会:2019年度上半期フォローアップ報告書』より
4週8・7閉所の達成率が上がり、週休2日制の導入が進んできているのではないかとの結果が出ています。
一方で、閉鎖に伴い、作業員の所得減などの課題があるとしています。
長時間労働の是正には課題もあり、簡単なことではありません。
しかし、この結果を見ると、4週5閉所未満の現場も減少しており、
取り組みの結果が少しずつ出て来ているのかもしれません。
社会保険労務士 松田
※1国土交通省:建設業における働き方改革について
国土交通省:建設業働き方改革加速化プログラム