就業規則診断①:絶対的必要記載事項
- 就業規則2020.09.09
労働基準法では、「常時10人以上の労働者を使用する使用者」は
「就業規則を作成し、行政官公庁に届け出なければならない」としています。
そのため、労働者を雇用する多くの事業所では、就業規則を作成し、労働者に周知しているかと思います。
就業規則を作成する目的は「労働条件」を明確にすることです。
労働時間、賃金などの労働条件を明確にし、労働者に周知しておくことで、
労働者が安心して働くことができ、事業主との労働者の間でのトラブルを事前に防ぐことが可能です。
しかし、就業規則を作成したものの、その後、長年見直しを行っていなかったり…
助成金の申請などのために、慌てて作成し、内容が会社の実情に合っていなかったり…
という場合もあります。
見直しを行っていない場合は、法改正に対応していない就業規則となっている可能があります。
また、インターネット上の雛形をそのまま使用し就業規則を作成したため、
中小企業に大企業並みの福利厚生が規定されている・・などという場合もあります。
そのような就業規則は、会社にとってリスクとなる可能性があります。
今回から、数回にわたり、就業規則について、まとめてみたいと思います。
内容を確認しながら、御社の就業規則を診断をしてみてください。
今回は就業規則の「絶対的必要記載事項」が記載されているか診断します。
「絶対的必要記載事項」
・始業・終業時刻…時刻を明記し、繰り上げ・繰り下げを規定していますか
・休憩時間…時間数や一斉付与、繰り上げ・繰り下げを規定していますか
・休日…法定休日と法定外休日を区別していますか
・休暇…年次有給休暇について規定されていますか
・交替制の場合の就業時転換に関する事項
・賃金の決定…賃金の種類・構成は規定していますか
・賃金の計算及び支払い方法…通貨払い、直接払い、全額払いが明確にされていますか
・賃金締め日及び支払日…給与計算期間・締め日・支払日を明示していますか
・昇給に関する事項…昇給の有無を明確にしていますか
・退職にする事項…退職事由、退職願の取り扱い、定年後の再雇用、業務の引継ぎについて規定していますか
・解雇事由…明確にしていますか
〇働き方改革による追加事項
・出退勤の記録について規定されていますか
・年休の時季指定について規定されていますか
いかがでしょうか。絶対的記載事項が漏れているということは、あまりないかと思いますが、
記載内容が、会社の実態に合っているかなど、細かく確認しましょう。
社会保険労務士 松田