働き方改革推進支援助成金:勤務間インターバル制度導入コース
- 助成金2020.08.06
「勤務間インターバル制度」とは、1日の勤務終了後、翌日の出社までの間に、
一定時間以上の休息時間(インターバル)を設けることで、
従業員の生活時間や睡眠時間を確保するものです。
例えば、以下のような勤務の場合、
始業8時~~就業17時~~残業~~残業終了23時__休息9時間__始業8時~
残業時間が長い日は、残業終了から翌日の始業までの休息時間が短くなります。
通勤時間や睡眠時間を除くと、休息時間がない状況になることもあります。
そこで「勤務間インターバル制度」を導入し、11時間の休息時間を定めると、
始業8時~就業17時~残業終了23時___休息11時間___始業10時~
休息時間11時間を確保するために、始業時刻を後ろ倒しにすることになります。
「勤務間インターバル制度」により休息時間を確保することで、
健康やワークライフバランスを確保することができるのではないかと考えられています。
また、働き方改革により、「勤務間インターバル制度」導入が企業の努力義務となり、
今年度からは「働き方改革推進支援助成金 勤務間インターバル制度導入コース」が設定されています。
活用しやすい内容になっているのではないかと思いますので、助成金の概要をご紹介します。
<助成金の概要>
勤務間インターバルの導入に取り組み中小企業事業主を支援するため、
その実施に要した費用の一部が助成されます。
<対象となる事業主>
労働者災害補償保険の適用を受ける中小企業事業主であり、
「36協定の締結・届出をしていること」「年5日の年次有給休暇の取得を就業規則等で整備していること」
が必要です。
現時点で「36協定の締結・届出」「年5日の年次有給休暇の整備」をしていない事業主の方も、
交付申請までに対応することで対象となります。
<成果目標の設定>
事業主の状況に応じた「成果目標」を設定し実施します。
新規導入:「勤務間インターバルを導入していない事業場」がある場合
所属する労働者の半数を超える労働者を対象とする、
9時間以上の勤務間インターバルに関する規定を労働協約または就業規則に定めること
適用範囲の拡大:「休息時間数が9時間以上の勤務間インターバルを導入している事業場であって、
対象となる労働者が所属する労働者の半数以下である事業場」がある場合
対象となる労働者の範囲を拡大し、所属する労働者の半数を超える労働者を対象とすることを
労働協約または就業規則に定めること
時間延長の拡大:「休息時間数が9時間未満の勤務間インターバルを導入している事業場」がある場合
既に休息時間数が9時間未満の勤務間インターバルを導入している事業場であって、
対象となる労働者が所属する労働者の半数を超える労働者を対象として、
休息時間を2時間以上延長して9時間以上とすることを労働協約または就業規則に定めること
インターバル制度の利用状況などの数値目標はなく、
制度の導入と就業規則等の整備により助成金の対象となります。
また、労働者の賃金額の引き上げを成果目標に追加することも可能です。
<支給対象となる取り組み>
・労務管理担当者に対する研修
・労働者に対する研修、周知・啓発
・外部専門家によるコンサルティング
・就業規則・労使協定等の作成・変更
・人材確保に向けた取組
・労務管理用ソフトウェアなどの導入・更新
・テレワーク用通信機器の導入・更新
・労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新
就業規則の作成や労務管理用ソフトウェアの導入をご検討中の場合は、
勤務間インターバル制度の導入を併せて検討されることで、支給対象となる可能性があります。
<支給額>
取組実施に要した費用の一部を、成果目標の達成状況に応じて支給します。
対象費用の合計額に補助額3/4を乗じた額を助成します。
(上限を超える場合は上限額)
休息時間9時間以上11時間未満…新規導入:80万円、適用範囲の拡大又は時間延長:40万円
休息時間11時間以上 …新規導入:100万円、適用範囲の拡大又は時間延長:50万円
賃金額の引き上げを達成目標に追加した場合は加算額があります。
平成30年7月、「過労死等の防止のための対策に対する大網」の変更が閣議決定された際、
「2020年までに、勤務間インターバル制度を導入している企業割合を10%以上」
とするという数値目標が定められています。
そのため、勤務間インターバル制度導入コースの助成金は、比較的取り組みやすい内容になのではないかと思います。
締め切りは11月30日ですので、お早めにご検討ください。
なお、助成金の詳細につきましては、厚生労働省HPまたは当センターまでお問い合わせください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000150891.html
社会保険労務士 松田