建設業の働き方改革
- 働き方改革2020.05.01
2019年度より「働き方改革」に関連する法律が改正され、順次施行されています。
「働き方改革」とは、「働く人が、個々の事情に応じた、多様な働き方を選択できる社会を実現し、
一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすること」を目指しています。
日本は「少子高齢化に伴う生産年齢人口が減少」「働く人のニーズの多様化」などの課題に直面しています。
この課題に対応するためには、「生産性の向上」とともに、
「育児や介護、病気の治療と両立しながら働ける労働環境」、
「高齢であっても、障害を持っていても、働き方を選択できる労働環境」
を作ることが必要です。
そこで「長時間労働の是正」「非正規雇用の処遇改善」に焦点を当てた
「働き方改革関連法」が成立し、2019年度より施行されています。
建設業においては、
建設業者数(2017年度末)が1999年度末から23%減少(約46万業者)、
建設業就業者数(2017年平均)が1997年平均から約27%減少(498万人)しており、
人材の確保と育成が課題です。
また、他の産業と比較して長時間労働であることも指摘されています。
建設業の年間実労働時間(2017年)は、全産業平均と比較して年間300時間以上の長時間労働です。
(全産業平均:1697時間 建設業:2036時間)
※1
2018年3月に国土交通省は「建設業働き方改革加速化プログラム」を策定しました。
このプログラムは、官民一体となり、建設業の働き方改革を促進させようと、
次の3つの分野の施策が挙げられています。
1 長時間労働の是正
・週休2日制の導入を後押しする
・各発注者の特性を踏まえた適正な工期設定を促進する
2 給与・社会保険
・技能や経験にふさわしい処遇(給与)を実現する
・社会保険への加入を建設業を営む上でのミニマム・スタンダードにする
3 生産性向上
・生産性の向上に取り組む建設企業を後押しする
・仕事を効率化する
・限られた人材・資機材の効率的な活動を促進する
プログラムが策定されてから2年が経ちました。
働き方改革は進んでいるでしょうか。
また、これからどのように取り組んでいけば良いのでしょうか。
これから数回にわたり、「建設業働き方改革加速化プログラム」に関連する内容を取り上げたいと思います。
松田
※1 国土交通省:建設業の働き方改革について
厚生労働省:「働き方改革」の実現に向けて
国土交通省:建設業働き方改革加速化プログラム