健康保険・厚生年金保険新規適用届
法人の場合は、社長一人、従業員一人といった場合でも、その規模にかかわらず健康保険・厚生年金保険に加入する義務があります。
個人事業の場合は、常時5人以上の従業員がいれば同様です。
常時5人未満の個人事業と、5人以上であっても農林水産業、飲食業、クリーニング等のサービス業、弁護士・税理士等士業事務所などの特例業種は任意適用となっており、
任意適用事業所として加入するには、被保険者となるべき従業員の半分以上の同意と厚生労働大臣の認可を受ける必要があります。
適用事業所に該当した場合は、その日の翌日から5日以内に「健康保険・厚生年金保険新規適用届」を「健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届」と一緒に年金事務所に提出します。
健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届
全国健康保険協会(協会けんぽ)に加入する場合は、健康保険と厚生年金保険は手続きの用紙が一枚となっています。入社日から5日以内に「健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届」を年金事務所へ提出し、
「資格取得確認および標準報酬月額決定通知書」を受け取ります。
なお、国民健康保険組合や健康保険組合に加入する場合は、健康保険と厚生年金保険は別々の手続きが必要となります。
健康保険被扶養者(異動)届(被扶養者がいる場合)
健康保険の被扶養者になるには、日本国内に住所(住民票)を有しており(留学等は例外)、原則年収130万円未満(60歳以上または障害者の場合は180万円未満かつ被保険者の年収の2分の1未満)であることが必要です。 範囲は①直系尊属(父母・祖父母・曾祖父母)、配偶者、子、孫、兄弟姉妹で生計維持関係にある者、②3親等内の親族で①以外の者、事実婚関係の配偶者の父母と子、 事実婚関係の配偶者が死亡した後の父母と子で生計維持関係にありかつ同一世帯にある者となっています。
健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届
従業員が退職した時は、退職日の翌日から5日以内に「健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届」を、回収した健康保険証と一緒に年金事務所に提出します。
保険証が回収できない時は、「被保険者証回収不能届」か「被保険者証滅失届」を提出します。
退職日が月末の場合は資格喪失日が翌月1日となりますので、最後に支給する給与から前月分と退職月分の2か月分の保険料を控除することになります。
被保険者賞与支払届
賞与を支給した時には、支給日から5日以内に、被保険者賞与支払届と賞与支払届総括表を年金事務所に提出します。
この届出内容により標準賞与額(支給額の1,000円未満を切り捨てた額)が決定され、こちらに毎月の給与にかかる保険料と同率の保険料率を乗じた額を、毎月の保険料と合わせて納付することになります。
報酬月額変更届
昇給や降級により給与額に大幅な変動があったときは、定時決定を待たずにすみやかに標準報酬月額変更の手続きをする必要があります(随時改定)。
具体的には下記①~③の要件を満たした場合に行います。
① 固定的賃金に変動があったとき
② 従前の標準報酬月額と改定後の標準報酬月額に2等級以上の差が生じるとき
③ 固定的賃金の変動日以後引き続いた3ヶ月間の報酬支払基礎日数がそれぞれ17日以上であること
変動が生じた月から3ヶ月経過後すみやかに、年金事務所に「健康保険・厚生年金保険被保険者報酬月額変更届」を提出します。
昇(降)給月から4月目が改定月となります(例えば5月から昇給した場合は8月)。
社会保険料控除額の改定
7月に提出した「報酬月額算定基礎届」に基づき、「標準報酬月額決定通知書」が年金事務所から送られてきます。 これをもとに9月分以降の社会保険料を改定します(翌月控除の場合は10月に支給する給与より)。
報酬月額算定基礎届
毎月の社会保険料は原則として毎年1回決定され、その年の9月から翌年の8月まで1年間同じ保険料となります。
この保険料や保険給付の額の基礎となる標準報酬月額を決定する手続きを定時決定といいます。
毎年7月1日現在の被保険者すべてについて、その年の4,5,6月に支給した報酬(報酬支払基礎日数が17日未満の月を除く)を「健康保険・厚生年金被保険者報酬月額算定基礎届」により年金事務所に提出します。
なお、①その年の6月1日~7月1日に被保険者となった者、②7-9月の間に改定が行われる者はこの定時決定の対象から除かれます。
健康保険・厚生年金保険被保険者氏名変更(訂正)届
結婚、離婚、養子縁組などによって氏名が変わった場合は、すみやかに、「健康保険・厚生年金保険被保険者氏名変更(訂正)届」に健康保険証を添えて、年金事務所に提出します。
健康保険・厚生年金保険産前産後休業取得者申出書
産前産後休業期間(産前42日(多胎妊娠は98日)産後56日のうち、妊娠出産が理由で就業しなかった期間)については、 健康保険・厚生年金保険の保険料は被保険者分、事業主負担分ともに、産前産後休業開始月から終了予定日の翌日の月の前月(産前産後休業終了日が月の末日の場合は産前産後休業終了月)まで免除になります。 被保険者から産前産後休業の申し出があったら、事業主が「産前産後休業取得者申出書」を年金事務所に提出します。
健康保険・厚生年金保険育児休業等取得者申出書
育児休業期間(満3歳未満の子を養育する期間)については、健康保険・厚生年金保険の保険料は被保険者分、事業主負担分ともに免除になります。 被保険者から育児休業の申し出があったら、事業主が「育児休業等取得者申出書」を年金事務所に提出します。
傷害手当金支給申請書
業務外の病気やケガにより、4日以上働くことができず、報酬を受けられない時は、「傷病手当金支給申請書」を提出します。 休業4日目から1年6か月を限度に傷害手当金が支給されます。支給日額は、支給開始日以前の継続した12ヶ月間の標準報酬月額の平均額を30日で割った日額の3分の2相当額です。