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長時間労働の是正:罰則付きの時間外労働の上限規制

働き方改革2020.05.05

「建設業働き方改革加速化プログラム」の3つの分野(長時間労働の是正、給与・社会保険、
生産性向上)の中で、まずは「長時間労働の是正」について取り上げたいと思います。

労働基準法が改正され、「罰則付きの時間外労働の上限規制」の適用が、
2019度から大企業、2020年度から中小企業で開始されています。

「罰則付きの時間外労働の上限規制」は働き方改革の重要な柱のひとつです。

建設業においては、5年間の猶予期間が設けられたものの、
2024年4月1日より適用となります。

建設業はまだ猶予期間だから大丈夫・・と思いたいところですが、
適用に向けて準備を進める必要があると思います。

「建設業働き方改革加速化プログラム」でも、猶予期間を待たずに、
「長時間労働の是正を図る」としています。

そこで、まずは「罰則付きの時間外労働の上限規制」の内容を確認したいと思います。

そもそも、労働時間・休日に関する原則は、次の通りです。

・法律で定められた労働時間の限度は、1日8時間及び1週40時間
・法律で定められた休日は、毎週少なくとも1日

これを超える場合は、労働基準法第36条に基づく労使協定(36協定)の締結
と労働基準監督署への届出が必要です。

36協定には「時間外労働を行う業務や種類」「時間外労働の上限」などを
決めなければなりません。

これまで、36協定で定める時間外労働については、厚生労働大臣の告示により
「時間外労働の上限の基準(限度時間)」が定められていましたが、
罰則による強制力はありませんでした。

また、臨時的に限度時間を超える特別の事情が予想される場合には、
特別条項付きの36協定を締結すれば、限度時間を超えて時間外労働を
行わせることが可能でした。

しかし、「罰則付きの時間外労働の上限規制」が適用されると、次の通りになります。

① 時間外労働の上限が罰則付きで法律に規定されます。

・時間外労働の上限・・・原則として、月45時間・年360時間となり、
臨時的な特別の事情がなければこれを超えることができません。

② 臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合(特別条項)でも、
下記を守らなければなりません。

・時間外労働・・・年720時間以内
時間外労働+休日労働・・・月100時間未満、2・3・4・5・6ヶ月平均が全て1月当たり80時間内
・時間外労働が月45時間を超えることができるのは年6ヶ月まで

③ ①②に違反した場合は、罰則(6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金)が科されるおそれがあります。

なお、特別条項の有無に関わらず、時間外労働と休日労働の合計は、
月100時間未満、2・3・4・5・6ヶ月平均80時間内にしなければなりません。
(時間外労働が45時間未満であっても、休日労働との合計時間が月100時間を超えると法律違反です。)

2024年4月以降は、毎月の時間外労働が上限規制を超えないようにすると共に、
2〜6ヶ月の平均の時間数も正確に管理していかなければ、罰則の対象となるおそれがあります。

これまで以上に、時間外労働の把握・管理していくことが必要です。

既に時間外労働の削減に取り組まれている企業も多いかと思いますが、
まだ何も始めていない場合は、まずは現状の労働時間を把握することから始める必要があると思います。

給与計算センターでは、時間外労働の管理、36協定等についてもご相談を受け付けておりますので、
お気軽にお問い合わせください。

社会保険労務士 松田